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観光立国を目指すなら [ひとりごと]

趣味の探鳥で奥日光に一泊した翌日の帰路、順調に運行していた特急内に
アナウンスが入りました。
「先程、この先のA駅で〇〇事故が発生しました。この列車はこのまま
運行しますが途中で停車する可能性があります」

公共交通に不測な事態が起こるのは仕方のないことですし、その先の報告を
待つしかないと車窓を眺めていると次なるアナウンス。

「この列車はB駅で停車します。B駅には特急専用ホームはありませんので、
誠に恐れ入りますが車内でお待ち下さい。尚、運転再開は16時30分を
予定しております」

このまま1時間半程、車内に閉じ込められてしまうという連絡が入った時点で
車内はどよめきました。乗客の旅程は様々で、この先飛行機で乗り継ぎを予定
している人は慌てて通話を始めています。

ここで「あれ?」と思ったのは、此処迄車内のアナウンスは日本語のみと
いうこと。車両先頭上部のテロップに英文は流れてはいましたが、
「車内で不審物を見つけた際は・・・」という、よくある定型文。

観光地日光からの特急列車ということで外国人観光客も少なからず乗車して
いるはずですが、その後も車掌からのアナウンスは日本語を繰り返すのみでした。
最終的には、約15分後に列車は動き出しA駅まで運行。
その後の区間は運休となりましたが、その通知も全て日本語。

更に振り替え輸送や運休区間の払戻等についてのアナウンスは列車を下りた後
駅構内で途切れ途切れに聞いたのみでした。(勿論、日本語のみ)

日光から成田や羽田へ直行し帰路に就く予定の外国人旅行客もいたかもしれ
ませんし、運休となった区間に宿を取っている方もいたかもしれません。

周りの席の日本人はアナウンスを聞いて動揺し、あれこれ検索しているけれど、
自分達は一切何も分からない状況・・・。

海外から観光客を盛んに誘致している割には、緊急時の対応は余りにもお粗末。
令和の今なら、テキストで打ち込んだ緊急事態の内容を瞬時に翻訳して車内の
テロップに流すことも、アナウンスすることも出来ます。

更に、そうした際の迂回路の提案等を速やかに車内や駅で外国語で示すシステムの
設置も難なく可能なはず。(都心なら、完備されているエリアもあるかもしれません)

私の乗っていた車両は日本人ばかりでしたので、他の車両では日本語の分からない
方への対応も乗客同士で行われていたかもしれません。

ただ、緊急事態発生の際は、せめてテロップを変更して何が起こり、これから予測
されること、またその際の対策等を簡単な英語で通知する仕組づくりは必要では
ないかと思いました。

勿論、事故発生の際の現場の混乱は理解していますし、スムーズな運転再開に
邁進する方々の努力には頭が下がります。
ただ、車内や駅構内でのアナウンス対策は其処までハードルの高いことでは
ないはずです。

少子高齢化で成長産業もなく、政治も期待できない日本において、外国人
観光客の経済効果はけして小さなものではありません。

私達が生きる令和は、有事の状況把握が言語によって差があってはならない
時代なのではないでしょうか。

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